未来には人生の終わり方も変わるんだろうか
先日身内が「ガン宣告」され色々ぐるぐる考えている。
すでに90を超えた老体にメスを入れることは過酷だよね?肉にメスを入れるというよりは、骨の形がよくわかるほどぜい肉のない薄い皮膚を切り裂くと言った方があっている。私は迷わず手術なんてしないと思ったけれど、世間一般的にはどうなんだろう?何より本人が嫌がっている。
私はガンについて無知過ぎる。しかもまだ全然調べていないんだけど、放っておくとかなり痛いのだろうか…。なるべく痛みをとって、人間らしい日々を送れたらいいのだけど。私に何ができるか、考える日々が続きそうだ。
ところで、「シンギュラリティ」という言葉をご存知だろうか。「技術的特異点」とも呼ばれている。
要は人工知能が進化しまくって、人間を超えて、人間の生活が後戻りできないほど大きく変化することを指す。それが2045年頃に起こるという仮説があるのだ。遠い未来になら、そんなことが起こっても不思議ではないと感じるだろうけど、2045年というのは意外と近い未来ではないか。私はこのシンギュラリティを提唱した人の本を読んでかなり衝撃を受けた。
ちょっと信じられないかもしれない。
あと25年くらいでそんな事態になるんだろうか。よし、ざっと25年前はどんな時代だったか考えてみよう。そうだ、自分で言えば、高校に入学した頃だ。パソコンなんてものは限られた人のもので、通信手段といえば固定電話や公衆電話を使っていた。身近ではポケベルを持つ人も現れていた程度。そんな時を過ごしていた私たちに、スマホがこんなに普及する未来が見えていただろうか。家の固定電話を持たない家庭などありえないと思っていた。
こんな具合に通信手段においては、固定電話のみから、一人一台のスマホまで進化した。でも25年かけてこの程度とも考えられる。あと25年たっても、せいぜいロボットが頑張って働くくらいでしょうと思われるだろう。私もそうであって欲しいと思う。例えるなら、ドラえもんのようなロボットと人間が平和に暮らす世界になって欲しい。これが好ましい未来。
好ましくない未来の例は、映画「ターミネーター」や「マトリックス」のように、人間がロボット(AI)に駆逐される未来だろう。ターミネーターは娯楽作品として楽しんで観られたけれど、マトリックスを初めて観た時は、これまたショッキングだった。この世界が仮想現実だなんて!ものすごい発想だと思うと同時に、少しのリアリティすら覚えた。ありえない話ではない。
ここからは全くのフィクションですよ。
まんまマトリックスじゃなくても、遠い未来、私たちは生身の体を捨てることになる。簡単に言えばアメーバピグみたいな生活になる。(そういえばセカンドライフって以前に流行ったけど、どうなってるのかな?)好きなアバターを作って、仮想現実の中で暮らすのだ。記憶やら思考やら、脳みその機能は全部データ化される。「魂はどうなっちゃうの?」という問題は、とりあえず置いておこう。
バトー、忘れないで。貴方がネットにアクセスするとき、私は必ず貴方のそばにいる。[草薙素子] #攻殻機動隊 INNOCENCE
— 攻殻機動隊bot (@GhostInTheBot) 2018年3月12日
ロボットの体になって、今時点で現実と呼ばれているこの世界にいてもいいんだけど、現実に仮想現実がグイグイと食い込んできているので、もうどっちで暮らしてもいいんじゃないの? とも思える。
さあ、ここで冒頭の「ガン告知」の話に戻る。
生身の体がまずい状態になったら、まず主治医から渡されるのが「脳機能データ化同意書」「肉体破棄同意書」。その他にも仮想現実の世界の住人になるための必要書類が多数必要になる。体を捨てるなんて、特別なことじゃない。あまり金銭的に裕福でない人は、早々と肉体を捨ててデータ化を望む。その方が断然コストがかからないのだ。食事もいらない。住む場所も取らない。逆にお金がある人ほどリアルにこだわる傾向にある。
ちょっと怖いのは脳の機能を肉体からアバターに移す時だ。これは、やった人にしかわからないけど、ほとんどタイムラグなくアバターの方に自分のアイデンティティーが移動するのだ。この作業は第三者が立ち会うことが義務付けられている。何者かの悪意によって、肉体とともにアイデンティティーまで葬り去られることのなきよう、しっかりと見届けられる。データがぶっ飛んでしまうというトラブルも起こらないよう、AIによって完璧に制御されているから安心だ。ただ、冗長化することはできない。一人のアイデンティティーは二つ存在してはならない。
さあ、ついに理想的なアバターで仮想現実の世界に生きることになった。先に肉体を捨てた住人達にも再開できる。面影なんて全然ないけどね。そもそもリアルを生きていた頃から仮想現実世界とは通信できたから、今までと何も変わらないのだ。
こうなると、今までとの違いは肉体の終わりがなくなったことくらいだろうか。そうすると、「魂の終わり」はなくなるのだろうか。終わりのない日常がただ繰り返されるのだろうか。半永久的にネットを彷徨い続けるのは、怖くないだろうか。もうここらで終わりにしていいですよ、というボタンを自分で押せるのだろうか。
嗚呼、やっぱり肉体とともに朽ちていった方がよかったかもしれない。
【妄想終わり】
◆シンギュラリティに関しては様々な意見があります
シンギュラリティを感じるアニメや映画
前述のマトリックスやターミネーターの他に、こんなのを観ては、ワクワク・ハラハラしています。
◆攻殻機動隊は結構リアルな未来ですよね
◆人間超えのロボくんがMVPのインターステラー
『インターステラ―』特別映像
もはやこの世界はすでに仮想現実という説
この世界が仮想現実であることを示す証明式
まあこんなことを考え始めると眠れなくなりますよ。
お花見してお酒飲んで楽しんでいる方が幸せだーー!